80年代回顧録

シティーハンターの香が嫌い!冴羽は普通に性犯罪者

シティーハンターのアニメ最終章が劇場で公開中です。

シティーハンターと言えばもう35年前とかの作品になりますが、未だに色褪せない古びない人気があるような気がします。

多分それは関東地方で「ルパン三世」の次くらいにしょっちゅう再放送を繰り返してるからだと思います。

特に1と2ばかりで、逆に3と91は滅多に放送されませんが。

香のキャラがブレてて好きじゃない

主人公冴羽リョウのパートナーとして、実質作品のヒロイン(?)である槇村香であるが、私はこの香のキャラクターがあまり好きではない。

香の顔や性格がどうのというのではなくて、作者が操る香の描かれ方というか、設定の在り方に違和感を覚えてしまい、なんか気持ちが悪いのです。

香は亡き刑事槇村の父(刑事)が引き取った犯罪者の娘(当時赤ん坊)であり、血の繋がらない妹として育て上げた義理の兄・槇村(リョウの相棒)からリョウに託されたやっかいだけど健気な女という初期設定は見事であり、このプロローグは個人的にも大好きである。

槇村が繋いだリョウと香の運命的でなし崩し的な関係性も、複雑な事情が絡み合っててドラマとしての深みがある。

でもいつしか早い段階から香が100tハンマーをぶん回すあたりから、なんかこれ違うくね?っていう違和感を覚えたのは、香のキャラクターがブレてるからなんです。

香の服装はボーイッシュに統一すべき

見た目で違和感なのはまず、男勝りな香の服装に統一感がないからです。

外でも家の中でもわりと女らしい服装を着てるんですよね、タイトなミニスカートとか。

でも普通にセーターとジーパンの時もある。(特に理由なく)

香がリョウに女として見てもらいたくて女らしい格好をしてたりするというのも解らなくはないんだけど、それでも香の性格からしてスカートなんか恥ずかしくて履けない!っていうぐらいのハッキリしたボーイッシュ設定に振り切った方がスッキリするはずなんです。

作中にタイトミニを履く女性キャラがわんさか居るのだから、差別化を図る意味でもあえて香はパンツルックに統一するべきだと思うんですよ!

香はセクシー要素がゼロでも他とは違う魅力を持った女性キャラであるという事を、作者は自信を持って描くべきなんじゃないかと訴えたいのです!

逆に海坊主の妻である美樹さんは女兵士だった事もあって常にパンツスタイルなんだけども、別に全然ボーイッシュには見えなくて、ナチュラルで違和感もないんですね。

とにかく香の服装が毎回違和感の塊なのだということなんです。(胸もぺったんこ設定にすべきだと思う)

リョウに毎度ヤキモチで妬く設定にも違和感

毎度のしつこい100tハンマーの理由なんですが、いっつも香がリョウに対して変な嫉妬丸出しでハンマーぶん回してリョウを怒り散らかすわけですが、これも見苦しいというか、そもそも香がリョウに対して恋愛感情を持ってる設定自体がなんか気持ち悪いというか、お互いに全然タイプじゃないけれど、唯一家族のような存在としてある方が二人の関係性に深みが出ると思うんですね。

だから香にはリョウとは真反対の義兄槇村に似たインテリ系優男メガネの恋人がいるという設定にした方が絶対に面白いはずなのになって常に思ってしまうので、作品を見ているとイライラするんです。

多分槇村に似た香の恋人がレギュラーキャラとして居たら、もっとこの作品は面白くなってるはずなんです!!

リョウに100tハンマーで突っ込むのはいいんです。

ただその理由が女としての嫉妬ではなくて、建前通りの良識として依頼人に手を出すなという意味合いでのハンマーならば全然OKなんです。

ただもしリアルにリョウと香のような出会いと関係性であったなら、確かに香はリョウを好きになると思うんですが、だとしたら香のキャラを完全に女っぽい淑女系にすべきなんです。

それだったらば違和感ないんです。

わかってもらえないですかね?

続編エンジェルハートで亡き者扱いは必然

そんなわけで続編のエンジェルハートの世界線ではシティーハンターのパラレルワールドとのことですが、香は事故で死んだ設定となってます。

これについてはシティーハンターの愛読者からしたら衝撃の続編となるわけですが、おそらく作者としては香のキャラクターが物語を転がす上で実は以前から邪魔だったのでしょうことが容易に推測できるんですね。

香が居る事でコメディタッチなリョウが増えるのですが、ハードボイルドを掲げた世界観にはいい加減邪魔だったりするわけなんです。

特にエンジェルハートでは少女沙羅がヒロインである事から余計に香の出番はないというか、居ない方がリョウの内面にもより迫りやすいという側面があるからなんですね。

冴羽尞は普通に性犯罪者だろ

さてお次は主人公の冴羽リョウなんですが、彼は硬派な部分と軟派な部分を両極端に合わせ持つ魅力的な男なわけですが、軟派な時の彼はほとんどの女性から相手にされず殴られてフラれてます。

でも普通に考えたらこんな体格(着やせマッチョ)でケンカも強くて顔も凛々しいのだから、本来なら絶対にモテモテなはずなんですよ、現実だったらば。

だからリョウが女にフラれまくってるのも違和感がありすぎてなんだか納得できないんです。

でも犯罪者だからしょうがないか?

公然猥褻痴漢声掛け事案

普段から合言葉のように「もっこり」というワードを使って発情しているこの男は本当に下品です。少年漫画の主人公としてはちょっとアウトではないでしょうか。

時代もあるとは思いますが、やってる事は普通に性犯罪ですから。

道端でナンパするのも現代では声掛け事案で警察から注意を受けます。

ノゾキやお尻タッチを気の向くままに行なっておりますが、普通に性加害の痴漢です。

下着泥棒

彼は女性宅に入れば必ずと言っていい程下着を盗んできます。

バレた時は香に殴られて終わりですが、普通に窃盗であり、れっきとした犯罪行為です。

マンガなら毎回注意書きとして「盗みは犯罪です」と明記していくべきですが、コンプライアンス激アマな80年代なので、そういったフォローもいっさい表記されていませんでしたので、シティーハンターを読んでいた子供は痴漢や下着泥棒ぐらいならバレても怒られて終わりくらいに誤解して育った可能性はおおいにありえます。

銃を携帯してるし冴羽リョウは普通に犯罪者ですが、女刑事が友達(win-winの関係)なので、大概の事はチャラになっているのです。

教育上本当に良くありませんね。

シティーハンターのここが嫌い!

シティーハンターは面白いんですけど、決定的に嫌いな部分が二つあるので挙げておきます。

ゲストの女性キャラがワンパターンで魅力がない

北条司先生の描く女性キャラはアダルトセクシーでとにかくエロいわけなんですが、あまり描き分けは巧くはなくて、毎度の依頼人女性キャラが髪型以外ほとんど似たり寄ったりで、性格的にも普通に無個性なのが多く、イマイチ魅力に欠けてしまっているんですね。

ゲストキャラなんだから毎回リョウが惚れるぐらいに魅力的でなければならないわけなんですが、どの依頼者も冴子を越えれないんですよ。

たまに天然系の依頼娘が出てくる時は当たりでしたけど、大抵は一見気が強くてでも実は泣き虫でという、ツンデレの走りのような女性キャラが多かった印象を受けます。

きっと作者の好みなのでしょう。

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レギュラーキャラに十代の少年少女がいない

シティーハンターは少年ジャンプに掲載されていた少年漫画であるのですが、主人公がアラサー風の大人であり、それどころかレギュラーキャラの中にも子供は登場せず、完全に大人の世界が描かれてるわけです。

ですが読者は基本的には十代(ロウティーン)の未成年の子供です(でした)。

二人くらい少年と少女のレギュラーキャラがいた方が読者も感情移入しやすいと思うんですね。

海坊主美樹夫妻が施設から引き取った兄妹とかでもいいと思うんですよ。

その意味でも続編のエンジェルハートで、シティーハンターのゲストキャラであった超能力少女沙羅をヒロインに抜擢したというのは正解だと思うんですね。

何処かの国の王子だとか、ゲストの依頼主が子供の時って全部当たりエピソードなんですよね。

このことからも、やはりシティーハンターは子供不足な所が難点だったというわけです。

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シティーハンターは名作です

これまでに色々不満めいたことを言ってきましたが、基本的には当作品が好きですし、シティーハンターは普通に名作だと断言できます。

キャッツアイを越えた北条司の代表作

北条司氏はシティーハンターの前にキャッツアイですでに人気を獲得しており、シティーハンターで二発目もヒットさせた売れっ子作家なわけですが、この点は同時代の鳥山明氏と同じ2安打マルチヒット作家という枠に入ります。(二作目の方が更に大当たりという点も同じ)

キャッツアイもアダルティーな作風で、子供心にガン見してはいけない漫画として、気になりながらもページを飛ばすフリをしてこっそり戻って見るような作品でしたね。

シティーハンターは主人公がワイルドな男なので恥ずかしさが軽減されて堂々と単行本を買うことが出来たので良かったです。

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EDのGET WILDがアニソン神曲認定

キャッツアイがアニソンヒットの走りとされていましたが、続くシティーハンターでも見事アニソンの歴史に名を刻む楽曲を産みだしてくれました。

物語の終わりと共に重なってエンディング曲がかかるという演出方法がカッコ良すぎと、絶大な評判を得たのが第一期エンディングテーマのTMネットワークの「GET WILD」でした。

TMネットワークにとっても代表曲となり、80年代まではまだアニソンの地位は低くアーティストからすると黒歴史的なタイアップであったのが、この頃からそのイメージを払拭し始め、アニソンに起用されたい!と願うアーティストが増えていった気がします。

ドラマはワンクール三ヶ月で終わりですが、当時のアニメは半年から一年は固定されて毎週かかるので、歌い手からしてもアニメタイアップはおいしいという感覚が芽生え始めていました。

結局「GET WILD」は無印1期シティーハンターのエンディング曲として一年間ゴールデンタイムに流れ続けました。

しかも冒頭で説いたようにシティーハンターは再放送も多かったので、かなり楽曲がアニメによって浸透していった印象があります。

これぞまさにwin-winでして、アニメ作品にとっても主題歌ミュージシャンにとってもどちらも互いに感謝しうる関係性といえるのではないでしょうか。

北条司は後に小室率いるglobeのベストアルバムのジャケット絵を描いていますし、今回の劇場版シティーハンターの主題歌もやっぱりTM NETWORKで決まりという事で、ファンにとっては嬉しい限りであるのです。

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シティーハンターのここが好き

大人っぽい世界観

ギャグとシリアスのコントラストが飽きない

リョウのもっこり成功率0%

ABOUT ME
しぇす太
カーネギーメロン大学を志し、手塚賞を狙うも挫折してからは人生に絶望して、部屋の片隅でひざを抱えて過ごす今に至る。 HSPでマイノリティ思考でうだつは上がらない。 シングルファーザーなのに無職という珍しい肩書きを持つ。 座右の銘は人生暇つぶし。