80年代回顧録

坂本龍一の名曲おすすめ曲代表曲は?彼の何がすごいのか?

ご冥福をお祈り申し上げます。

教授の曲はたくさん残されておりますが、多すぎるし難解だしでどこから聴けばいいのか、ちょっと敷居が高くて手が出ないところがあると思います。

そこで聴きやすい曲、解りやすい曲に限定して、ポップな坂本龍一だけを厳選紹介したいと思います。

坂本龍一の名曲・好きな曲は?

黄土高原 (86)

坂本龍一の全楽曲の中で何が一番好きかと問われたら、真っ先に頭に浮かぶのがコレ。

飯島真理が歌ものとして同時期にリリースもしており、ヒットシングルになりうる要素を多分に含んだ楽曲であるのだが、それでも歌無しの坂本龍一によるインストヴァージョンであるこっちの方が完成されてるというか好き。

私が十代の頃に自分でこの曲に勝手に詩をつけて、自分の歌として今日まで時々口ずさんでいたというのは誰にも内緒の秘密だ。

SELF PORTRAIT (84)

YMO解散後もソロで更に上へ羽ばたく勢いを感じさせる名曲。

もはや言葉はいらない。

この主旋律は一生飽くことのないスタンダードであり、坂本龍一の真骨頂。

Ballet Mecanique (86)

最初は岡田有希子の遺作アルバムのリード曲「WONDER TRIP LOVER」としての提供楽曲であったが、すぐ後に矢野顕子に詩を新たに書かせてセルフカバーとして発表したのがコレ。

後に中谷美紀に詩を書かせて「クロニック・ラブ」として再度生まれ変わるが、やはり坂本龍一がクールに奏でるスタイルの方がこの曲はシックリくる。

MIND CIRCUS (96)

中谷美紀のデビュー曲。

坂本龍一が久しぶりに本気でJ-POP市場に殴り込みを仕掛けた感が窺えた。

教授による中谷美紀プロデュース作品はその後の曲も90年代後半を考察する上でどれも必聴。

くちびるNetwork (86)

岡田有希子が自殺直前にリリースした自身最大のヒット曲で作詞は松田聖子

アイドル楽曲の歌ものとしても完璧な仕上がり。

こうゆうのを狙って量産すれば教授も小室になれたのにねw

The Other Side of Love (97)

実娘である坂本美雨が正体を隠して英語で唄ったデビュー曲。

ドラマタイアップ効果もあって72万枚のスマッシュヒットを記録した。

後に中谷美紀が日本語で歌う「砂の果実」としてリリースしますが、そっちは売野の詞が中二すぎて胃もたれするので、こっちの方が声とメロディに集中できるので良い。

ONGAKU/音楽 (83)

YMO後期の歌ものポップス。

坂本がいつか娘と‥という想いを込めて作った曲らしい。

この曲が収録されてる「浮気なぼくら」はYMOの最初の入り口として一番聴きやすいです。

フェティッシュ (99)

中谷美紀シングル「クロニック・ラブ」の2曲目。

短めのポップスなんだけど、売野雅勇の重い詞が聞き流すことを許さない。

子猫物語 (86)

ムツゴロウ監督による映画「子猫物語」は1986年の邦画第一位の収益で、その音楽監督とテーマ曲を坂本龍一が務めました。

僕も当時この映画何故か見に行きました。

普通に可愛いアイドルポップスで耳馴染みが良いですね。

テクノポリス (79)

トキオを連呼する近未来的テクノポップ。

ライディーンと二分するYMO初期のインスト代表曲。

文句なしにカッコイイ!

新しい音として大衆の度肝を抜いたのも頷けます。

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坂本龍一の代表曲ベスト5

千のナイフ (78)

坂本龍一のデビューアルバムにして、YMOでも収録された初期の坂本龍一の名刺のような一曲。

天才にしか書けない楽曲と評されるのも納得の唯一無二のクオリティ。

Merry Christmas Mr. Lawrence (83)

誰もが一度は耳にした事のあるあのメロディがコレ。

例え彼がこの一曲の一発屋であったとしても、歴史に名を刻むであろう代表曲。

BEHIND THE MASK (79)

マイケルジャクソンから「欲しい」と直訴された大切な一曲。

譲渡してればアルバム「スリラー」に収録されてものすごい金額が舞い込んだであろうが、交渉決裂でお蔵になった逸話をちょっと悔し気に笑い話に昇華させたのもアッパレ。

energy flow (99)

唄なしのピアノの旋律だけでミリオンを売り上げて99年度の年間一位を獲得した坂本龍一のキャリアで最も売れたCMタイアップ曲。

「癒しの曲」と称された。

東風 (78)

YMO初期の代表曲のひとつ。

これもThis is 坂本龍一と呼ぶに相応しい高揚感あふれるインストナンバー。

80年代の坂本龍一は業界の頂点だった

戦場のメリークリスマス (83)

大島渚監督の当作品にデビットボウイ、ビートたけしらと共に俳優としても出演し、映画音楽も手掛けて英国アカデミー作曲賞を受賞して、「セカイのサカモト」と認知される。

この時代で日本人がカルチャーの世界で認められるというのはまだレアな事だった。

ラストエンペラー (87)

日本人としては初のアカデミー作曲賞、ゴールデングローブ賞、グラミー賞など世界的な音楽賞を総なめにする。

この映画の影響で坂本の根強いファンは中国人にも多い。

この時期まさにピークで時の人で、名実ともに頂点を極める。

小室哲哉に嫉妬する坂本龍一

小室哲哉は世代的に冨田勲をキーボーディストとして敬愛してきたが、坂本を前にすれば「ずっと教授の背中を追いかけて憧れてきた」とリップサービスを言うでしょう。

83年にYMOが解散して、その翌年の84年にデビューしたTMネットワークに対して、坂本龍一はこれからは君たちの時代だと言ったそうである。

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が、坂本の実娘である美雨が小学生にしてTMネットワークのファンであったことに対しては複雑な心境だったようで、父親の曲より小室の曲を愛聴している娘に対して単純にムカついたそうであるw

娘の美雨は大の小室ファン

どうせなら全くジャンルの違うロック系とかならまだしも、同じコンピューターを駆使した鍵盤スタイルの同族とあっては余計に「なんでだよ!?」と思うのもよく解るというもの。

だが小室哲哉の絶頂期に坂本龍一は共作して共演も果たしてます。

坂本美雨はデビュー以降もずっと小室ファンを公言し続けて、近年まで何度もいろんな所で共演している。

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坂本龍一のベストアルバムおすすめは?

ベストアルバムにしてもいっぱいあって、どれがベストなのか判りにくいですし、今から坂本龍一を聴こうとする人が居たとしても、迷子になって結局諦めてしまう事でしょう。

YouTubeで適当に流して聴いて終わりになってしまう人がほとんどかと。

それじゃ故人も浮かばれませんので、私が初心者にやさしい坂本龍一のベストアルバムを一枚見繕って差し上げたいと思います。

ズバリこれです。↓

グルッポ・ムジカーレ~ベスト

グルッポ・ムジカーレ~ベスト

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この「グルッポ・ムジカーレ」というベスト盤は平成元年(89年)にリリースされたものでして、88年~78年までの自身の軌跡を遡っていくという本人選曲による初期のセレクションベストなのですが、やはりなんだかんだで若い頃の作品のが圧倒的であるのは教授も例外ではなくて、「ラストエンペラー」に始まって「千のナイフ」で終わるこのベスト盤が濃縮された最強のベスト盤であると断言できてしまえるのです。

個人的にもこのアルバムだけダビングしてよく聴いていたというのもあるので、だから上記に紹介した「黄土高原」も「セルフポートレイト」も「バレーメカニック」も全部これに入ってるんですね。

「戦メリ」も「ビハインザマスク」も入ってますし、これこそが問答無用のベスト盤なんです。

ベスト盤で検索しても意外と挙がってこないアルバムなんで、是非チェックしてみてください。

坂本龍一って何がすごいの?

40歳以下の20代30代の若者はまずこのような印象を持つでしょう。

坂本龍一のファン層は50代に限定されているので、そういった意味では完全に「昭和の偉人」なんですよね。

で、結局のところ彼の何がすごいのかと言いますと、「学歴」ですかね。

坂本龍一がもし専門卒やら二流大卒だったらここまでブランディング出来たかは定かじゃないですし、やはり「東京藝大卒」という肩書きによって「教授」という愛称に誰もがシックリきたわけで、その学歴は伊達じゃないのです。

あともうひとつすごいのが最期まで髪の毛がツーブロックのフサフサだったことですね。

もう20年ぐらい前(50歳ぐらい)から初老の雰囲気は既に醸し出しておりましたが、その頃からもうずーっと変わらない真ん中分けのサラサラヘアーでしたから、髪型に関しては黒柳徹子や和田アキ子と同じくらい徹底して筋の通った人でしたね。

多分染めてはいるんでしょうけど、あそこまで綺麗な白髪は全男性の憧れですよね。

というわけで坂本龍一の凄さを知らない若い人たちは、以上の二点を覚えておいてくださいね。

彼の凄さは学歴と毛髪です

才能に物を言わせてやりたい放題に生きた方なので、特に憐憫の情は沸きません。

ただ昭和の巨星がまた一人亡くなったな、と。

最後に教授自ら珍しくボーカルをとっているこの曲を紹介して終わりにします。

坂本龍一/Sayonara (91)

坂本龍一のナイスワーク

い・け・な・いルージュマジック

自身のラジオで槇原敬之の才能を発掘

ダウンタウンとGEISHA GIRLS

ABOUT ME
しぇす太
カーネギーメロン大学を志し、手塚賞を狙うも挫折してからは人生に絶望して、部屋の片隅でひざを抱えて過ごす今に至る。 HSPでマイノリティ思考でうだつは上がらない。 シングルファーザーなのに無職という珍しい肩書きを持つ。 座右の銘は人生暇つぶし。