80年代回顧録

いのまたむつみ死去!アニメのキャラデザ作画監督回が好きだった

今月は鳥山明、TARAKO、ファミコンロッキーの浅井裕先生と、立て続けに漫画アニメ界隈の訃報が続いておりますが、またしても今度は大御所のいのまたむつみ様の訃報が届きました。

十代の多感な時期に好きだったので大変ショックです。

ぶっちゃけ僕が女の子の絵を描く時はいのまたむつみの画風が無意識下にあります。

それくらいの影響は受けました。

死因が謎ですが、ご冥福をお祈り申し上げます。

いのまたむつみと昭和60年代

幻夢戦士レダ(’85)

もうこの時にはいのまたむつみの作風は完成されてますね。

いのまたむつみは他とは一線を画すイラストレーター兼キャラデザイナーでありました。

この作品は全く知らないんだけど、当時の空気感がいっぱいでノスタルジーにどっぷり浸れそうですね。

もうこの時代にオタ向けアニメってフォーマットが完成されてるというか、今でもアニメーター原画マン達はこの頃の作風を模写し続けてるみたいな感じがしますね。

同時上映は吸血鬼ハンターD

この作品は監督がサンライズ作品等で知られる芦田豊雄で、「ファイナルファンタジー」の天野喜孝がキャラ原案していたり、音楽は小室哲哉で主題歌がデビュー二年目のTM NETWORKだったり、数年後に平成の文化を構築する若きクリエイター達が、この昭和60年(1985年)から芽を出し始めたという象徴のようでもあります。

この年というのは昭和と平成を繋ぐ過渡期であったと言えるでしょう。

1985年よもう一度!バブルに向けて活気づく時代の転換期いわゆるひとつの変革の年(ターニングポイント)だと思います。 当時の僕個人的にはファミコン一色でしたが、後々この年を世相的に振り返ると...

ウインダリア(’86)

個人的に一番衝撃を受けたオリジナルアニメ映画です。(深夜放送で見た)

ストーリーが陰鬱なのも好みなのですが、何よりいのまたむつみによる作画が美しいのなんの。映画だから作画も崩れないしずっと見てられます。

エンディングの新居昭乃による「美しい星」が全部持っていくんですが、あとは主人公の声が古谷徹なのも安定感あって良いです。

宇宙皇子(’84~’88)

あのマイケルジャクソンが絶頂期に「BAD」のワールドツアーで来日した際に、書店で偶然見かけた「宇宙皇子」の画集をいたく気に入り、マイケル自らいのまたに会いたいと言ってツーショット写真を撮ったのは有名な話なんだとか。

検索すればネットですぐ見れますが、これは本当に一生自慢できるレベルの逸話ですよね。

マイケルがいのまた絵の何に惹かれたのかの問いに「色の使い方が新鮮」と述べたそうで、マイケルもまたいのまたむつみ絵の最大の魅力を一瞬で感じ取ったのはさすがというか、本物のアーティストの感性を持っていた証明にもなりますね。

日本に来ていのまたむつみというサブカル絵描きを発見するなんてマイケルすごい!

いのまたむつみ作画監督回の好きなアニメ

「北斗の拳」「シティーハンター」「きまぐれオレンジ☆ロード」等でカナメプロダクションが制作に協力していて、稀にいのまたむつみ作画監督回があったりするんですけど、まぁすぐに判りますよねw

いつもと違って女の子が特に可愛くて、絵柄が完全にいのまた絵になっているので、原作の雰囲気から逸脱してるとも言えるのですが、可愛いからアリなんですよ。

特に「北斗の拳」なんてケンシロウまで少女漫画バージョンみたいで、これはこれでアリやなと思うわけです。(いや、あれはナシです)

「シティーハンター」なんかでも、いのまた作監回だと嬉しくてテンション上がりました。

「うる星やつら」でも一回だけいのまた回があったらしいですね。

原作の絵より可愛らしく描いちゃっていいの?って思ってました。

いのまたむつみから派生した現代のアニメ絵

結局今やってる美少女ハーレムアニメとか、全部基本的にはいのまたむつみの描いたキャラ絵の焼き写しみたいなもんでしょ?

自分も漫画家を志して絵を描いていたから解るんですよ。

キャラクター特にヒロインの顔を描くとき、知らず知らずのうちにいのまたむつみの描く女の子のパーツをイメージしてしまうんですよ。

もう絶対にいのまたむつみのデザインからは逸脱できない仕組みになってるんです。

だからいのまたむつみが亡くなってしまっても、彼女が遺したキャラ絵というデザインの魔術は永遠に存続されていくものだから、「ありがとうございました」しかないですね。

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しぇす太
カーネギーメロン大学を志し、手塚賞を狙うも挫折してからは人生に絶望して、部屋の片隅でひざを抱えて過ごす今に至る。 HSPでマイノリティ思考でうだつは上がらない。 シングルファーザーなのに無職という珍しい肩書きを持つ。 座右の銘は人生暇つぶし。