生まれてから死ぬまで人は基本的にずっと不安を抱えて生きることになります。
パーソナリティ不安障害ならぬ不安生涯です。
大半の人間はそれを誤魔化しながら普通を装って暮らしています。
本当はめちゃめちゃ不安なのに。
一桁代はいじめられないか不安
実際にいじめが一番多いのは小学一・二年生だそうです。
物心ついてすぐ、今どきは0歳から保育園に預けられるのも珍しくありません。
生まれて1~2年でもう集団生活に放り込まれるのです。
そしてそこでうまく溶け込めなかったり馴染めなかったりすると、その後の人生に大きく影響したりするので最初が結構重要だったりします。
やはり兄弟がいる子の方が同年代とのコミュ力もあるので言葉も早いですし、ひとりっ子はおっとりマイペースになりがちです。
あとは侮れないのはやはり遺伝的なもので性格は決まるので、ヤンキーの子はいじめっこになるし、気弱な夫婦の子供はいじめられっこになってしまう率は高いです。
そして当の子供は毎日学校という戦場でいじめられないか不安の中で過ごしているのです。

十代は勉強(受験)と交友関係で不安
今時は中学受験も一般的になりつつあるので早い子だと10才ぐらいから受験勉強に向けてスタートを切らされます。
学校での交友関係をうまくやりつつ、習い事や勉強の方もしっかりやらなければならないという、子供なのに遊ぶ暇もない程のハードスケジュールな子も珍しくありません。
当然繊細な子は不安神経症になります。
でもうまく言えず内に隠しながら頑張ってる子がほとんどでしょう。
中学に入ればいよいよ修羅の三年間でストレスまみれの中で部活にも打ち込みます。

身体も成長して苦悩も多岐に渡ります。
そんな中で高校受験、大学受験としっかり勉強地獄で同年の他者と競い続けます。
ドロップアウトしたらどうしよう‥という不安は膨らむ一方です。
20代は性と恋愛関係で不安
学生時代の荒波を乗り越えた先にも次から次へと新たな不安材料は降って沸きます。
若いうちというのは恋愛強者と弱者でヒエラルキーがハッキリします。
特に昔は恋愛至上主義がえぐかったですが、現代では恋愛をしてるほうが少数派みたいなので、その辺は生きやすくなってるかもしれません。
ですが男子のモテたい欲望や性欲は不変ですし、頭が性で支配されていますからちょっとしたきっかけで犯罪に手を染めてしまう危険性も秘めています。

恋愛でうまくいかないとストーカーになったり相手を殺してしまうケースだってありますから、女子の方も相手を慎重に見定めなければなりません。
女子は男子以上に周囲の影響で急変して堕ちていく事もありえるので、親はまだまだ気が気じゃないと言えます。
とにかく恋愛に翻弄されるのが20代の特色です。
30代は転職と仕事関係で不安
仕事も慣れてきてすっかり一人前の成人として社会の一員になった気でいますが、仕事の悩みは尽きません。
上司や同僚の人間関係や、自分のやりたい事と違う仕事内容に不満を感じたり、転職も視野に入れながら葛藤の日々を過ごします。

恋人がいる人は結婚も考えなくてはなりませんし、女性は出産のリミットを考え始めます。
個人的には人生は30代をどう生きたかでほぼ決まるものだと思っています。
40代は結婚生活と育児が不安
年々減少傾向の婚姻出産ではありますが、それでも未だ結婚している方が多数派です。
40代は結婚生活にてんやわんやで、お金も多方面に出て行くので大変です。
厄年なんかもあって本当に人それぞれに分岐があってこれまでの人生が顔に表れます。
年収格差やルックスの差異も同年代でくっきり勝敗が明暗化されます。
子ガチャもありますし、自分ではどうしようもない運命に翻弄されます。
結婚生活が破綻して離婚する夫婦も珍しくありません。
人生の苦渋や辛酸を舐めるもっともハードな年代かも知れません。
50代は親の介護と死別で不安
早い人は40代、遅い人は60代ですが、平均すると50代で自分の両親が高齢者になって介護が必要になったり亡くなってしまったりする頃になります。
現実として親の葬式とか喪主とかを経験することになるのです。他人の葬式なども頻繁になってきますね。
親が弱って死んでいく様を見ると、いよいよ自分自身の死も現実として嫌でも考えさせられてしまうものです。

普段の生活ではこれまで死を意識せずに暮らしていたのに、逆算して寿命を考えるようになります。
自分だってもう人生三分の二を消化してしまっているんだ。
体力の衰えを実感しつつ、迫りくる終焉に怯えます。
子供の大学費用や家のローンなど大きな出費がかさんで鬱にもなってきます。
60代は老後資金が気になって不安
いつの年代でもお金による不安はつきものですが、60代は老後に片足を突っ込んだ状態ですし、定年退職の時期でもあるので、老後の生活を見据えなければなりません。
そうなるといかに貯蓄できているか、90歳まで生きるのにいくら必要なのか、何度も計算してはため息をつく日々となります。
身体もいたるところにガタがきますし、あらゆる意味での下り坂を実感するのです。
70代は自身の健康問題が不安
癌がみつかる人も珍しくありません。
なにかしらの薬を飲んでる人の方が多数派です。
足腰も弱り、QOLが著しく落ちてきます。
一番大事なのは健康体であるという当たり前に気付くのです。
仕事を退職した後に旅行などを愉しもうと考えていたのに、いざこの年になってしまうと体力も気力もなくて行動できなくなっています。
アクティブな楽しみは60代のうちに済ましておくんだったと後悔するのです。
80代は死後の世界(現実と冥界)が不安
終活も終えていよいよあとは死ぬだけです。
いつ召されてもいいように心の準備をしておくべきですが、大半の人間はまだまだ生きたいと願うもので、死を受け入れられず考えないように逃避してしまいます。
自分が死んだあと、家族はどう過ごしていくのか、自身の魂は何処へ逝くのか。
ちゃんと葬式して墓に入れてもらえるのか、誰が来てくれるのか。
ネガティブなことしか考えられなくなってきます。

90代は寝たらそのまま逝きそうで不安
死刑囚の気分です。
夜寝たら翌日普通に起きれる保証がありません。(保証期間が切れてる)
老衰なんて一番幸福な死に方じゃないか。
毎日毎夜、今日で最後かもしれないと思うストレスは結構すごいかもしれません。
散歩に行っても転んだら死ぬかもしれないし、餅をのどに詰まらせたらアウトです。
穏やかな死に様を求めて人生を振り返る余裕すらありません。
というか思い出せないくらい昔のことは忘れてしまってます。
昨日の事も思い出せないことに気付いた時、寿命を受け入れるのかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
人生はどの年代でも不安がつきまとっていることが解りますね。
不安がない時代なんてほぼないのです。
不安こそが人生そのものなのです。
生きるという事はそれくらい不安定なものだからです。
不確定要素の中でたまたまこの世界に生まれ落ちて、この時代を生き抜き、電池が切れたら死ぬのです。
あるがままに死をも受け入れて、自分だけのストーリーを紡ぎましょう。
