私は不良が大嫌いです。ですが息子には不良になってほしいと思ってます。
いじめっこが謝罪に来た!
いじめられない位置付け
学生時代は楽しくてなんぼです。
その為にはクラスのヒエラルキー上位に位置づけている事が大前提です。
なめられないグループに属す事、つまりやんちゃで先生にちょいちょい皆の前でいじられるものの多数からの笑いを獲得できる発言権の大きな人気者になれれば言う事ないですが、そうでなくとも覇気があって喧嘩にも強そうというハッタリが利かせられて、女子とも照れずに気さくに話が出来て、足が速ければ問題はないでしょう。
られっこ気質と処世術
育った環境と持って生まれた性格が自然とキャラを形成していきますが、そのままだとおとなしめなハンデを背負ってしまう子の場合はある程度親が世の中で損しない立ち振る舞い方というのを教えていく必要があると思うのですが、矯正には時間が要するのと、本人がのんびりとした性格である以上それを変えろというのも人格否定に繋がるしで、なかなか現実問題として難しい側面もあります。
結局は最初からの気質でほとんど決まってしまうもので、そこにプラスアルファ要因としての運や事件が絡むことで多少の確変が起きるものの、基本的には小学校低学年の時に属性は決定づけられるものなので、その後の予測できる躓きを排除する為に外界での生きる術をタイプ別にやんわりとさりげなく指導していかなければならないと思います。
その為に手っ取り早く空手でも習わそうかと思ったのですが、断念する結果となったので(下記参照)、所詮遺伝子に逆らえるわけもないかとあっさり諦めるのでした。
というのも昨年息子(当時小二)が学校でわんぱくな子に恫喝されて泣かされたという事件を担任から伝えられて、ものすごく悔しい思いをしたからです。
子供がいじめられていた!?
顛末・一部始終
自分の可愛い我が子がよその汚らしいガキに泣かされたという事実を受け止めるには、親として大変屈辱的で、憤りを抑えるのに当事者の子供以上に苦しむものです。
担任が相手方にもその経緯を伝え、当日夜の9時頃でしたがその親子が謝罪に訪れて来ました。
その時丁度入浴中だったので、急いで風呂から飛び出して身体を拭いて全裸でドアを開けました。
嘘です。
急いで服を着てドアを開けるなり早々ドカンと一発
「お前いったいどうゆう教育してんだ!!」
と怒鳴りつけてやりました。
ホントです。
するとその母親は想定外の出遭いがしらにたじろいだのか、目を丸くして呆然と無言で立ち尽くしているのです。
こちらからしたらその反応も想定外で、もっとペコペコ頭を下げて必死に謝るのかと思ったら違うのです。
なんだこの輩は・・といった目で直立不動で私の次の言葉を待っています。
その横ではわんぱく小僧が「ごめんなさぁい、うぇいひっく」と泣いて謝ってました。
私は能面不細工母から育ちの悪い小僧に視線を落とし、「またお前か!以前にもうちの子泣かせた事あったよな!?」と容赦なくたたみかけました。
横に居た能面母は「私じゃ聞かないんでこの際もっと言ってやって下さい」と半笑いで初めてその口を開きました。
「次にまた同じ事したらどうするつもりなんだ!?」と能面母に私は厳しく詰め寄りました。
少しの沈黙の後、能面母は「また謝りに来ます・・」と小声で答えた。
私は「繰り返されても困る!絶対に二度と同じ事するな!次は許さない!」と強い口調で口から唾を飛ばす勢いで言ってやりました。
小僧はうちの子に直接会って謝りたいと申し出ましたが私はそれを拒否しました。
能面母が「いつも〇〇くんはお父さんと一緒で羨ましい、なんでうちにはお父さんがいないの?」と何度か子供に言われたと告白してきました。だからどうした。
教育の行き届かない憐れな母子家庭だから勘弁してくれということでしょうか?
「いやいや、うちは逆に母親がいないんで」と返しました。驚いてました。
「うちの子はのんびりしてるので〇〇くんは活発で賢そうで羨ましいですよ」と気が付けば私のお人よしの面が表れてリップサービスを言ってました。
母親の態度には少しカチンときたものの当事者である小僧がわりと素直に泣いて謝っていたので私の留飲は下がり、言わなくてもいいのに甘い言葉をかけてやり、最後には握手までこちらから差し出してしまいました。
やるか、やられるか
見送り際に私はまた余計な言葉を発しました。
「うちも加害者として相手の家に謝りに行くくらいわんぱくであってほしいと逆に思いますよ!」と。相手はどう返していいのか判らず無反応で帰って行きましたが。
もしかしたら皮肉に聞こえたかもしれません。
でも私は本心から被害者側でモヤモヤするより加害者側で謝罪する方が精神的に楽だよなと思ったからです。
人の物を盗むくらいなら盗まれた方がいいという言葉を聞いたことがあります。
でも殺すくらいなら殺された方がいいとは私は思いません。
少なくとも自分の子供が被害者側で泣くのは絶対に嫌だと強く思いました。
謝罪に来られるより子を連れて謝罪に行く親の方を体験したかったよ。
お風呂の中でじっと待っていた息子をあがらせて、バスタオルで拭いてあげながら、まだまだ小さくて華奢なその身体をギュッと抱き締めた。
私は不良が嫌いです。ですが息子には不良になってほしいと願うのです。