90年代回顧録

菅野ひろゆき(剣乃ゆきひろ)天才の死と名作「YU-NO」

菅野ひろゆき(剣乃ゆきひろ)とは、僕が最も尊敬するゲームクリエイターです。

頭が良すぎるというのはこの人のことだと思ってましたから、脳梗塞で出血死というのもある意味似合いすぎてて納得ですが、いくらなんでも死ぬには早すぎます、若すぎます。

訃報を知った時は結構ショックでした。

顔も年齢も知りませんでしたが、まだ40代前半だったとは・・・。

20代で「EVE」や「YU-NO」を作り上げていたということは、やっぱり早熟の天才だったんですね。

セガサターンとギャルゲー

90年代半ばから後半にかけて、世間のゲーマーやライトユーザーはSONYのプレイステーション一色でしたが、僕はマイノリティのサターン派でした。

今でこそサターンのゲームの質の高さは評価されておりますが、当時は完全に日陰者扱いですよ。女・子供はまずやりませんし。

故にエロゲー移植がたくさんあって、まぁ結局サターンの一番の魅力としてはそれが一番でかいんですけどもw

もうその頃はアホみたいにギャルゲーにハマってまして、最初はやっぱりスーパーファミコンの「ときメモ」なんだけど、その次は全部サターンのギャルゲーですよ!

「卒業Ⅱ」「きゃんきゃんバニープルミエール」「同級生if」「Piaキャロットへようこそ!」「下級生」「エターナルメロディ」「悠久幻想曲」「野々村病院の人々」「黒の断章」「慟哭そして・・・」「EVE~The Lost one」などなど。

まだまだありましたがクソゲーは歴史から削除しておきます。

そんな中でも最も抜きんでてエロく、そしてもはやエロの領域を超えたシナリオとシステムで度肝を抜いて感動させられたのが菅野氏が作られた「DESIRE」「EVE~burst error」「この世の果てで恋を唄う少女~YU-NO」傑作3部作だったのです。

菅野ひろゆき(剣乃ゆきひろ)はゲームクリエイターの最高峰だ!

主人公は基本カサノバでふざけてて、でも腕力があって正義感が強くて優しくてエロいという成り立ちで、漫画のように感情移入しやすい設定から入っていくのですが、物語が進むに連れて思ってもみない展開に吸い込まれてゆき、いつしかエロがオマケのSFハードボイルドな世界に放り込まれているのでした。

シナリオが秀逸なのはもちろんなのですが、じゃあラノベやアニメで良さが伝わるのかといえば全く伝わらないのです、これが。

ゲームだからいい、ゲームだから素晴らしいと思わせる、ゲームならではの画期的なシステムの試みでハラハラドキドキの疑似体験を味わうことができるのでした。

なので映画の百倍感情移入できるわけで、故にゲームって最強なエンタメ装置だなって思わされもしたもので、それもこれも全て菅野作品に触れてそこまで思えたわけで、やはりこの人はとてつもなく偉大なクリエイターなんだとまとめるしかないのです、ホントに。

「スーパーマリオ」も「ドラゴンクエスト」もすごいんだけど、僕はあえて恥じることなく菅野氏の三部作こそゲームの頂点極まれりと唱えたい!

それくらい個人的に莫大な影響を受けた「作品」であるため、その「製作者」である菅野ひろゆき氏というのは僕にとって五本の指に入る「神」の一人なのでありました。

泣きゲーで泣けなかった僕

時は21世紀に入り、ギャルゲ界はコマンド総当り方式からノベルスタイルへとシフトチェンジしてゆき、泣きゲーというものがしばらくのあいだ幅を利かせていきました。

当然僕もやりましたよ、「ONE」「KANON」「AIR」までは。

上記三作が最も一般的に評価の高い泣きゲーだとは思うのですが、僕は全くしっくりこなくって肩透かし感がハンパなくて、ギャルゲ界からそのまま卒業するのです。

なんで僕が全く泣きゲーにハマれなかったかというと、菅野作品をやり終えていたからだと思うのです。

菅野作品は「面白くてエロくてなんだかすごくて最後には泣ける」ので、それをやった後にはもうどんな佳作も駄作に思えちゃうんですね。

それにノベルゲームってのはもはやゲームじゃなくて、ただ文章を追っていくだけであんなの紙芝居ですよ、ひどいもんです。

同じエロゲの括りにされるのは多大なる迷惑なので、菅野作品は「ギャルゲ」でも「エロゲ」でもなく、「芸術エンタテイメント」として認定していただけないものでしょうか。

さもなければ単純に「コマンド式SFアドベンチャー」でもいいですが。

とにかく「To Heart」とか「CLANNAD」とかとは一線を画すということだけは訴えていきたいのですが、もはやそれらよりも断然知名度も人気も低いんじゃ話しになりませんよね‥。

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この世の果てで恋を歌う少女ーYU-NOーリメイク

19年ぶりに初のリメイクが成され、2クールでアニメまで制作された伝説の神ゲーこと「YU-NO」ですが、サターン版に愛着のある自分としては、新しいキャラデザにはなんの魅力も感じませんでした。好みの問題というよりも、熱量が全く伝わらないんですわ。

アニメの出来もひどかったですね。

期待値が高すぎたとはいえ、なんかもう何もかも軽くって全然違うんですよ。

懐古厨のジジイの戯言と言われようが、やっぱり作者が存命でないというのは非常に大きくて、もし菅野氏が監修してたらこんなふうには絶対なってないはずですから。

でもだからといって90年代のデザインでそのまま出せるわけもないというのも解るのですが、こんなふうにうるさい古参の為に、なんとPS4の初回生産分ではリメイク版にプラスしてまるまるオリジナルの移植版も遊べてしまうという粋な計らいが!!

それならまぁ‥許してやるか。

ゲームという媒体を通して限りなくインテリジェンスに愛と勇気を持って生きる男の哲学を教えてくれた菅野ひろゆき氏の冥福を心よりリフレクター・デバイス!