80年代を代表する伝説のギャグ漫画「ハイスクール!奇面組」。
その原作漫画のラストが衝撃的だったが為に賛否両論というか8割方批難が多かったのだが、熱狂的な読者であった自分は当時から一貫してあのラストは全面肯定的に大好きだ。
「奇面組」愛を込めて、最終回論争に今更ながら終止符を打ちたい。
ハイスクール!奇面組の最終回は唯の妄想オチ?⇒違います
「奇面組」の最終回は「夢オチ」と揶揄されがちだが、そのように断罪してしまう奴等は総じて想像力と読解力が全くない低能であることを自ら公表しているようなものだ。
あまりに批判が相次いだため、後の文庫本愛蔵版収録ではラストのコマに奇面組が駆けてくる影を作者は渋々書き足すことになったが、それこそ蛇足だったとも言える。
でもそうした方がアホな読者にはまだ解りやすいし、ようやく半分くらいは伝わるのだろうから仕方なかったのでしょう。
しかしそうしたことで「夢オチ」ではなくなっても今度は「ループもの」としての解釈になってしまうため、原作者の意図とは微妙にズレてしまう。
作者の意図は正解を読者に委ねる形であえて曖昧にしたかったのだが、ほとんどの読者が「夢オチ」と感じ取って抗議殺到となった為、「ループ」である可能性を確約することで読者のモヤモヤをある程度解消させることはできたが、それでも「ループ」だったら満足するのか?となればそれもまた読者によっては異なるはずだ。
私みたいなネクラな悲観論者は、奇面組はどこかに存在していそうだけれど、同じ学校に居るとは限らないわけで、もしかしたら中学では出会えないかもしれないという「パターンC」もあえて許容したいのです。
それでも唯が高校に入ったら奇面組が現れるかもしれないし、きっとおそらく現れるだろうとも確信したい。
それでいいじゃないか。
空想の余地を残した素晴らしいクロージングじゃないか。
ギャグマンガでそんな要素必要あるか?と思う方も多いと思うが、「奇面組」はギャグマンガなんだけれど、要所要所にセンチメンタリズムが漂っており、テーマにも一貫したメッセージがあり、骨太なSFとメルヘンの要素を掛け合わせた世界観なので、ファンからするとそこに違和感はないのだ。
だが「東京大学物語」、てめぇはダメだ。
アニメの奇面組も悪くはないが原作漫画の劣化版
「奇面組」は2年に渡りアニメ化もされたので、わりといろんな地方で多岐にわたる年代で再放送もされているため、直撃世代でなくとも下の世代にも知名度は割と高い。
アニメもまぁ悪くはないんだけど、制作会社が悪いのか作画監督が悪いのか、漫画から入ったクチからすると微妙な感は拭えんのです。(DVDセットでも持ってますけど)
奇面組の五人は声優も豪華だし問題ないんだけど、唯ちゃんがアニメのキャラデザが面長で可愛くないんですよ。千絵ちゃんはいいんだけど、唯ちゃんが‥ね。
唯ちゃんは僕の初恋の漫画キャラです
なにをかくそう僕にとって唯ちゃんは初恋の漫画キャラなんで。
よくいるじゃないですか、メーテルだとかラムちゃんだとか浅倉南だとか。
僕にとっては唯ちゃんがソレなんです。
なんでしょうね、当時小学生でしたけど、いわゆるクラスに居そうなコじゃないですか。
顔が可愛くて性格が朗らかで、でも芯が強くてちょっと変わってる。
その次に好きになったのは魔美ちゃんですけどw↓
だから原作の最終回前の唯ちゃん視点での物語進行にも感情移入ができるし、大袈裟に言ってしまえば本作の主人公は零くんではなくて唯ちゃんだと言っても間違いではないと思ってる。(作者も否定しないはず)
「Dr.スランプ」の主人公がホントは千兵衛博士なんだけど世間ではアラレちゃんと認識されてるようなもんですね。(例として違うか?)
でも作者が「ヒロインを大事にしてる感」が終始伝わる作風ではありましたね。
奇面組は80年代を体現する永遠の胸キュンアイコンだ
「奇面組」の何がいいって、色褪せない理想的な青春が詰まってるんですよね。
「奇面組」の世界に「いじめ」は皆無なんですよ。
「3年奇面組」の冒頭で、奇面組の5人は異物としてクラスメート達からキモがられてる存在ではあったんだけど、そこで弾かれ者として日陰に隠れてしまうのではなく、堂々と面白おかしい個性を見せつけてやればいいじゃないか!というリーダー零くんに感化されたメンバーで結成されたのが「奇面組」なんですね。
そしてそんな奇面組(というか零くん)を慕って大笑いするのが、男子生徒達から一番人気のある唯ちゃんなものだから、自ずと奇面組が人権(?)を得ていくといった構図なのです。
他にも個性的なグループがいくつか登場するのですが、もれなく真っ直ぐな奴らが多く、嫌な奴や悪い奴がいないんですよ。
居たとしてもどこか憎めない部分が必ずあって、というかやっぱりいないんです。
そしてなんといっても作者のネーミングセンス!これがピカイチですね。
インテリジェンスすら感じさせる絶妙な名前の数々は感心させられます。
あと下品な下ネタをNGにした作風も良いです。
下ネタに頼らないギャグマンガってなかなかないですからね。
アニメ化でも作者が一番強く制作会社に訴えたことは「絶対にパンチラ演出はするな!」ですからね。清純さにおいて徹底してます。
「奇面組」は80年代を象徴する永遠の胸キュンアイコンだと思うのです。
当時小学高学年~中一あたりでしたが、こんな高校生活が送りたいなぁと憧れたものです。
それこそ私のその憧れは「夢オチ」で無残に終わりましたけどね!
「奇面組」は夢だけど夢じゃない!
「奇面組」は実在しないけど、どこにでもいる!
あなたの身近にも、ほら!