KANさんが亡くなってしまって結構ショックです。
たまに聴きたくなって月一程度には聴いていたんで。
なんだろう‥ポップソングを作らせたら右に出る者はいないというか、職人的なワザというか。
世間では「愛は勝つ」の一発屋的なイメージですが、確かに売り上げ的にはその通りなんですが、でも彼が遺した名曲は他にもたくさんありますからね。
知らない人は損してますよ。
KANの曲は普遍的なのであまり時代感がないので今聴いても古さはないですし、ずっと現役で曲を作り続けてこられただけあります。
今からでも遅くないので、亡くなってから聴くなんてダサいとか思わずに、KANの歌の扉をお開きください。
いい曲ばかりで胸がいっぱいになりますよ。
KANのアルバムまずはコレを聴け!
6×9=53
2016年リリースの16枚目。(KANのオリジナルアルバムは全17枚)
十分キャリアを積んだ53歳という円熟期だというのに、いっさい昔に回帰(焼き直し)することなくアグレッシブな新譜を出し続けるのがアーティストKANのプライドであり特色。
それでいてしっかりツボを押さえた裏切らない出来、あくまでポップス。
TIGERSONGWRITER
1998年リリースの11枚目。
個人的にCD単体として一番聴いたアルバムで思い入れがあります。
噛めば噛むほどと言いますか、未だに聴けば聴くほど「名盤だなぁ」と評価が上がっていくんです。
作品全体が一本の映画のようでいて、9枚の絵画を見てるみたいで飽きないんです。
TOKYO MAN
1993年リリースの7枚目。
当時リアルタイムでアルバムをレンタルして、カセットテープにダビングして聴いてましたね。
全体のバランスと完成度、キャッチーさとしっとり具合が絶妙。
知名度(セールス)込みでアルバムの代表作と言っていいんじゃないでしょうか。
めずらしい人生
「愛は勝つ」でのブレイク後に出した初期ベスト(1992年リリース)。
初期KANの集大成であり、ポップでキュートでセンチメンタルなラブソングが並ぶ。
ベストアルバムは何枚かあるが、中期後期はオリジナルアルバムをじっくり聴くべきなので、この初期ベストで若いKANを補完してしまうのが正しく効率が良いだろう。
23歳
2020年リリースの17枚目。(ラストアルバム)
ほとんどのアーティストは晩年マンネリになって枯れた才能が露わになるものだけど、KANは本当に最後までというかまだまだ余力がありあまっていたと証明される遺作。
良質なポップスを生産し続けた彼のシンガーソングライターとしての生涯に敬意をこめて、一番最新のラストアルバムを推したいと思います。
KANの好きなおすすめ曲
よければ一緒に
結婚式で起用したいナンバーワンソングでしょう。
KANの良さが集約されたような一曲で、長さを感じさせない。
秋、多摩川にて
ピアノの旋律が心地良い。
情景が浮かぶ歌詞も秀逸。
愛は勝つ
言わずと知れたダブルミリオンの代表曲。
ファンの人達がよく「愛は勝つ」よりもこっちの曲のが好きとか言って他の曲を引き合いに出されるけれど、この曲がKANの代名詞で良かったと素直に思いますよ。
圧倒的にキャッチーで、普遍的な愛を謳っている素晴らしい名曲ですよ。
数ある曲の中で、やっぱりこの歌は最上位に位置しますよ。
MOON
最高峰のエモいバラード。
問答無用のラブソング。
言えずのI LOVE YOU
ファン人気も高い曲。
素朴な男のシャイな気持ちを歌わせたら天下一品ですね。
永遠
KANのバラードの代表曲といえば多分コレ。
「いつも隣に永遠にぼくはいるから」
まゆみ
シンプルな歌いだしからのサビの高揚感が良い。
三ツ矢サイダーはこの曲をずっと起用し続けてほしい。
カレーライス
06年リリースのシングルですけど、まさに隠れた名曲。
「一度冷めて またあっためて それでいい」
熟年カップル夫婦にこそ刺さるこのキラーフレーズよ!
COVER GIRL
アルバム「弱い男の固い意志」の一曲目。
いつになくエレキギターの間奏とアウトロが醍醐味。
洋楽味もあるオシャレなポップソング。
テレビの中に
爆裂ポップなデビュー曲。
最初からセンスと才能の塊だったんだなぁと思わせる。
KANはもっと評価されるべきアーティスト
ずっとシンガーソングライターとしての生涯を全う出来ただけ十分成功者で勝ち組であるのだが、それでも残された秀でた楽曲を聴くにもうちょっと世間的に評価されてても良かったのにと言いたくなるファンは多いと思う。
実際に売り上げ的にはシングルでは「愛は勝つ」の200万枚越えの次に売れたのはCFソングに起用された「まゆみ」の18万枚であり、以下97年以降のシングルに関しては全て5千枚を割っている。(1万どころか5千枚以下よ!)
アルバムに関しても「愛は勝つ」が収録された「野球選手が夢だった」の70万枚越えがダントツで、98年の「TIGERSONGWEITER」の時には2万枚まで下がっている。
楽曲の質が低下していたのなら納得だが、そうじゃないのだからプロモーションとかのせいにもしたくなるが、本人はマイペースに良質な歌を作り続けた。
一発屋として「愛は勝つ」をテレビで歌うことを拒んだのは正解である。
なぜなら彼は最後まで現役であり続けたのだから。
KANは死後に評価される芸術家の部類なのだろう。
いや、世間の評価なんてどうでもいいか。
これからも私は聴き続けるよ、KANの歌を。
どんよりとした気持ちもアルバムを聴き終える頃には晴れやかな気持ちになって、生きる気力が湧いてくるんだよね。