心の声を聞け

ロケンローな生き方

みんなロックンロールが大好きだ。

バンドやギターやヒムロックに一度は憧れるもんだ。

毎朝早起きしてラッシュアワーに揉まれて皺くちゃの背広によれたネクタイなんてこの上なくダサくありえない象徴のように思ってた。あの頃はサラリーマンなんて誰でもなれる職業だと思ってた。

けどいつしか大学生がリーマンになる為に死に物狂いで就職活動してる事実に気付く。

小学校、中学校、高校と一貫したリーマン養成所だったシステムの事実に気付く。

あぁ、バカバカしい。 俺はドロップアウトした。

ロケンローな生き方を目指していたから。

だけどバンドは組んだ事ない。友達がいなかったから。

ギターを弾けばカッコイイという事はわかっていた。

だけど弾こうとは思わなかった。

何故ならそれはロックじゃないからだ。

賞賛されるもの、黄色いエールを浴びるものはロックじゃない。

そんなのサノバビッチだ。

そこからパンクが流行りだす。

けど行き着く先は結局同じだ。

ロックもパンクも最終的にはカッコイイ。

音楽はカッコイイ。だからダメだ。

音楽やってる奴はクソだ。あいつら全員クソだ。

カッコつけやがって。

詩の朗読のがよっぽどロックだ。

ストーンズ?デビットボウイ?エアロスミス?矢沢永吉?エックスジャぱん?

なんじゃそりゃ?汗臭ぇーーー!!

俺の中ではお前等全員ハウンドドッグじゃボケ!

TOKIOでも聴いてた方がマシじゃうんこたれ。

だから俺は絵を描いた。

めちゃめちゃ萌え~~な絵を描いた。

たった独りでほくそえむ事の出来る瞬間を創りだす芸術。

これがロックだ。

ゲームをしてアニメを見てオタクになった。

秋葉系こそ真のロックなり。

人からキモいと言われる人間を目指そう。

人から後ろ指さされ、あんなふうになっちゃダメよと言われる悪い見本の大人を目指した。

その結果今度は路上ナンパ師になった。

所構わず可愛い女の子に声を掛け捲った。

いつしか劣等感の塊だった自我は洗練され、怖いものがなくなり恥ずかしいという概念さえ捨て去る事に成功した。

僕はずっと臆病で対人恐怖でシャイな自分から脱皮したいと思っていたから。

人は変われる。ただ、本質は変わらない。

ロケンローに生きることを実践するのは世の中的に難しい。

けれど大人になった事を言い訳にして仮面を使い分けながら器用に生きるなんて絶対にできない。

それだったらまだロケンローに生きることのほうがたやすい。

だけど自己の利益の為に他者を貶めたり傷つけたりは絶対しないぜ。

法を犯すことはあるかもしれないけれど、人の道に反する事は絶対しない。

だってそれは遺伝子が僕にそう言うから。

ロケンローに生きること。

それは優しい目で世界を、他者をみつめること。

そして人を愛すること。